MISSION TO JUPITER
クラシックであり続けたい人向けのこの時計はエレガントなベージュのトーンで、ブラックのVELCRO©ストラップをパーフェクトに引き立てています。クロノグラフの秒針とサブダイアルの針はオレンジ。 すべての文字盤には、OMEGA X SWATCHの文字、アイコニックなSpeedmasterのロゴ、そして新しいMoonSwatchのロゴが見られます。ガラス構造にはクリスタルの中央に隠れたSの字が統合。文字盤の外側のリングとサブダイアルには繊細で洗練された円の模様、シャープでスムーズなラグ構造、タキメーターの目盛が付いたベゼルにはアイコニックな「ドットオーバー90」のディテール、そしてもちろんユニークなBioceramicのタッチ。これらが全モデルに共通で、ディテールを愛する情熱を表わしています。すべての時針、分針、クロノグラフの秒針、そして時間のマーカーにスーパールミノバが施されているので、暗闇でパーフェクトに光ります。
【BIOCERAMIC MOONSWATCH】
スウォッチがオメガとコラボレーション。伝説的なSpeedmaster Moonwatchにイノベイティブなスウォッチのタッチを加えました。 惑星にちなんで名づけられた11本のBIOCERAMICウォッチ。惑星に旅してみたくなる新コレクションです。
オメガとスウォッチによるスピードマスター ムーンスウォッチが登場
宇宙時計の真髄が、手ごろな価格のスイスブランドと出合い、今年最もエキサイティングなコラボレーションが実現した。
オメガとスウォッチは、ここ1週間弱、ニューヨーク・タイムズの全面広告で「It's time to change your Swatch(スウォッチを変える時が来た)」、「It's time to change your Omega(オメガを変える時が来た)」というキャッチコピーを掲げ、極秘プロジェクトを予告してきた。その意味を誰も知らなかった。
トップシークレットがいよいよ公開され、その正体が明らかになった。ムーンスウォッチだ。基本的にはオメガのスピードマスター ムーンウォッチなのだが、それをスウォッチ化したものである。ステンレススティール製ケースの代わりにスウォッチのバイオセラミックが採用されている。これは3分の2がセラミック、3分の1がヒマシ油を原料とするプラスチック混合素材だ。誰もその意味を理解していないが、挑発的であり、ワクワクさせてくれる。
Mission to the Moon(月へのミッション)
ムーンスウォッチには11ものバリエーションがあり、それぞれ特定の惑星に対応した11色のカラーバリエーションが展開される。それぞれのバージョンは“ミッション”と呼ばれ、Mission to Mercury(水星へのミッション)、Mission to the Moon(月へのミッション)、Mission to Mars(火星へのミッション)といった具合だ。さらに、ウラヌス…、天王星へのミッションというものまである。
それぞれの組み合わせは、その天体を象徴するユニークなものとなっている。Mission to Neptune(海王星へのミッション)は、惑星のようなオールブルーのスタイリングと、対照的なブルーのダイヤル、そして濃いブルーのケースが特徴だ。Mission on Earth(地球でのミッション)では、大陸の緑をモチーフにしたグリーンのケースに、ブルーのダイヤルとブラウンの針を組み合わせている。水星のように保守的なデザインもあれば、火星のようにロケットのような針を使ったもの、土星のように惑星のイメージをインダイヤルに組み込んだりしたものもある。
Mission to Neptune(海王星へのミッション)
Mission on Earth(地球でのミッション)
惑星といえば、各モデルの電池カバー(この時計はクォーツ式だ)には、その名の由来となった惑星の絵が描かれており、非常に独創的な仕上がりになっている。
ダイヤルデザインは、スピードマスターをコピペしたものではない。ムーンウォッチとは異なり、スピードマスターのワードマークがダイヤル左側に、ムーンスウォッチの文字が右側に配置されている。また、ダイヤルの12時位置とリューズの両方に両者のブランドロゴを刻印。さらに、ヘサライト製ムーンウォッチでは通常オメガのロゴがある風防には、エッチングで“S”の文字も描かれている。
Mission to Jupiter(木星へのミッション)
さらに、すべての時計にはオメガとスウォッチのふたつのブランドロゴが入ったフライトスタイルのベルクロストラップが付属する。限定品という情報はないが、3月26日から世界中にある一部のスウォッチショップでのみ販売される予定だ(日本ではスウォッチストア 渋谷・原宿・大阪でのみ取り扱う)。
我々が思うこと
予告をみて、スウォッチのスピードマスターとはどんなものになるだろうと想像していたら……まさにその通りのものが登場した。巨大なふたつのブランドがこのような形でコラボレーションするということは、これまでの記憶にない試みだ。どちらもスウォッチ グループ傘下にあることを考えれば、少しは納得がいくのだが、それでもだ。これは本当にすごいことである。最高レベルのコーポレートシナジーと言っていいだろう。
このコラボシリーズの製作にあたり、オメガとスウォッチはツイストラグ、直径42mmのムーンウォッチのケースデザインに忠実であり続けた。さらにタキメーターベゼルには“ドット・オーバー90”が配されている。
そのすべてが、疑問を呼び起こす。これはいったい何なのか? そして、なぜなのか? という疑問だ。さらに、このリリースサイクルに期待する時計のリストに、これを挙げていた人はほとんどいなかった。あるいは、これからもないかもしれない。この時計について考えるひとつの方法は、より高級な機械式時計への入り口となる、特別にファンシーなスウォッチだということ。もうひとつは、3万円台のスピーディであるということだ。ケースのプロポーションに加え、凹型のインダイヤルやスーパールミノバ加工が特徴的である。そう考えると、なんとも魅力的ではないだろうか。
Mission to Mercury(水星へのミッション)
Mission to Pluto(冥王星へのミッション)
確かにこれはプラスチックの時計だが(そうそう、バイオセラミック)、クォーツムーブメントのため、巻き上げ、特に手巻きは必要ない。もちろん30mというやや低めの防水性能や、80万円台のムーンウォッチと比較したときのダイヤル仕上げの全体的なレベルなど、この価格帯ならではの欠点もある。しかし3万円台という価格を見れば、多くの消費者がこれらの欠点に目をつぶると思う。スピードマスターの象徴的なデザインを踏襲しながら、この価格はすばらしい。
個人的にはMission to the Moon(月へのミッション)モデルがとても気に入っている。本物をほぼ正確にコピーしているからだ。スウォッチ製のスピーディー プロを身につけたら、何か知的な興奮を覚える気がするのだ。Instagram上ではすでに手に入れようと躍起になっている愛好家たちのコメントで溢れ返っている。しかも世界中のスウォッチのセレクトショップに並ぶまで、まだ2日あるのだ。
Mission to Saturn(土星へのミッション)
ネット上での盛り上がりを見ると、多くのコレクターがこの時計を追い求めるのは目に見えている。仮に全11モデルが揃ったとしても、ムーンウォッチ1本を買うより30万円以上もお得なのだから悪くない。
私自身は、すべてのモデルが好きというわけではないため、ポケモンみたいに「みんなまとめてゲットだぜ!」と思っているわけではない。特に気になるのは深紅のケースと宇宙船の形をした針が印象的なMission to Mars(火星へのミッション)。それにイエローのケースとサンレイダイヤルが印象的なMission to the Sun(太陽へのミッション)だ。
Mission to Mars(火星へのミッション)
Mission to the Sun(太陽へのミッション)
そして、その特徴的なペールブルーのカラーリングから、一部の人が「ティファニー・ムーンスウォッチ」と呼ぶ運命にあるモデルも。これはMission to Uranus(天王星へのミッション)と呼ばれるもので、そう、私は今でもそれを言うたびに10歳の子供のように笑ってしまうのだ(Uranusの発音が英語の「あなたの肛門」の発音に似ているため)。
Mission to Uranus(天王星へのミッション)
Mission on Earth(地球でのミッション)モデルについては、少し違和感がある。グリーン、ブルー、ブラウンが混在するデザインは目には留まるものの、特に好ましいデザインとは思えなかったからだ。Mission to Venus(金星へのミッション)も自分向けではないと思う。もちろんピンクだからというわ けではない。HODINKEEでは、時計はジェンダーレスであるべき(そして多くの点でジェンダーレスだ)ということをかなり前から明確にお伝えしてきていたと思う。だから、オメガとスウォッチの両社がピンクのバリエーションに、ダイヤモンドのようなディテールをインダイヤルに配して“女性らしいエレガントなタッチ”を採用したのは残念だ。さて、話は変わるが、私のように地球と金星を気にいらなかったとしても、まだほかに9つも選択肢があるのだ。誰もが予想した以上に豊富ラインナップである。
Mission to Venus(金星へのミッション)
結局のところ、これらは紛れもなく興味深い時計だ。伝統あるふたつの優良ブランドが手がける象徴的な時計デザインへの、手ごろなエントリーポイントとなっているのである。オメガのような企業が、このようなコアとなる時計を民主化し、共同ブランドの試みを経たとはいえ、これほどまでに手ごろな価格にしたのは、極めて前代未聞のことだろう。この惑星間のコラボレーションは光の速さで売れそうなので、だから今すぐ私たちの店を見に来てください。